特定空家に認定される基準とリスクを解説！空き家放置の問題を考える

特定空家とは

特定空家とは、管理が不十分な空き家で、周囲の安全や景観に悪影響を与えると判断されたものを指します。
例えば、以下のような空き家が該当します。

特定空家に指定されると、所有者には行政からの指導や改善勧告が行われ、対応を求められます。

「空家対策特別措置法」に基づく特定空家の定義

空き家に関する管理責任は、空家対策特別措置法で定められています。
この法律では、次のような状態の空き家が特定空家に認定される可能性があります。

管理責任の重要性

空き家を所有する方には、適切に管理する義務があります。特定空家に認定されると、行政から是正指導を受けることになり、改善には多額の費用や時間がかかる場合があります。
認定を避けるためには、以下のような管理が必要です。

1.衛生状態の悪化

空き家の敷地が草木で覆われ、害虫の巣や不法投棄の温床になっていませんか？このような状態は、近隣住民に悪臭や害虫被害をもたらすだけでなく、病原菌の発生源となる可能性があります。さらに、老朽化した建物がアスベスト漏れや汚水漏れを引き起こすと、地域全体に深刻な影響を与えかねません。

2.倒壊の危険性

放置された建物が老朽化し、倒壊の危険がある場合も特定空家の基準に該当します。
以下のような兆候があれば注意が必要です。

倒壊が発生すれば人命や財産に大きな被害を与える可能性があり、早急な対応が求められます。

3.近隣住民への迷惑

空き家の外観が著しく損なわれている場合や、放置による不法侵入や放火が発生する可能性がある場合も特定空家に認定されます。植木や構造物が隣地を侵害している場合も同様です。

行政指導や勧告

空き家が「特定空家」に認定されると、行政から修理や解体の指導が行われます。この指導に従い、空き家を改善すれば、認定が解除される可能性があります。
ただし、指導を無視して対応しない場合、次の段階として「勧告」が行われます。この勧告に進むと、不利益を被るリスクが高まります。そのため、指導の段階で問題を解決することが重要です。

固定資産税の増額

特定空家に指定されると、それまで適用されていた税金の優遇がなくなり、固定資産税が高くなる可能性があります。
通常、住宅が建っている土地は「住宅用地」として認められ、固定資産税が6分の1や3分の1に抑えられています。この軽減措置のおかげで、土地にかかる税金は大幅に低く設定されています。しかし、特定空家に認定されると、この優遇が外され、土地にかかる税金が通常の6倍や3倍に増額されることがあります。
建物を放置しておくと、こうした税金の増加に加えて、さらなる問題が発生する可能性もあります。不要な出費を避けるためには、建物の解体や適切な管理といった早めの対応が重要です。

費用負担が増加

空き家を適切に管理せず、行政からの指導を無視し続けると、最終的に空き家が強制的に解体される可能性があります。この場合、解体の費用はすべて所有者が負担することになります。もし自分で解体業者を選んで解体を進める場合は、費用を比較して節約できるかもしれませんが、強制解体ではその選択ができません。
また、解体に関する調査に協力しなかったり、命令に従わなかった場合、最大50万円の罰金が科せられることがあります。この罰金は大きな負担となるため、早めに行政の指導に従って空き家の状態を改善するか、空き家が特定空家に認定されないように日常的に適切な管理を行うことが大切です。